制度信用取引と一般信用取引の違い
『はじめての信用取引!株価が下がっても利益を得る方法!』では信用取引とは
証券会社から資産を借りて投資を行う手法である
ということを解説しました。その記事内で、信用取引には制度信用取引と一般信用取引の2種類があるということを説明しています。
この記事では制度信用取引と一般信用取引の違いを詳しく見ていきます。
制度信用取引と一般信用取引の違い
「制度信用取引」とは証券取引所が定めた制度信用銘柄選定基準を満たした株式のみ取引ができます。それに対して「一般信用取引」は証券会社が定めた基準を満たした株式の取引ができます。一般信用取引では証券会社によってサービス提供の内容が異なります。
制度信用取引で取引した株を途中で一般信用取引に変えることはできませんし、逆に一般信用取引で取引した株を制度信用取引に変えることもできません。そのため制度信用取引と一般信用取引の違いを知っておく必要があります。
取引を行う上で制度信用取引と一般信用取引でどのような部分が異なるのでしょうか?
それらを詳しく見ていきましょう!
取引できる会社の数が違う
制度信用取引では証券取引所が定めた基準を満たさなければなりません。信用買いの場合は一般信用取引よりも取引できる会社の数は少なくなります。とはいえどちらもほとんどの株式を取引可能です。
ただし、信用売りの場合は制度信用取引はできるが、一般信用取引はできない場合もあり、証券会社によっては一般信用取引で信用売りのサービスを提供していないところもあります。
これらは証券会社によって異なるうえ、突如取引ができなくなるといいた場合もあります。もし一般信用取引で信用売りをしたい場合は、複数の障害者の口座を開設することで取引できる場合があります。
金利・貸株料が違う
制度信用取引では一般信用取引よりも金利・貸株料を抑えることができます。
例えばマネックス証券だと制度信用取引で信用買いを行なった場合の金利は年利2.80%に対して一般信用取引で信用買いを行なった場合の金利は年利3.47%です。目安として100万円分の株を信用買いで取引して1年間の間保有し続けると、金利はおよそ7,000円一般信用取引のほうが高いです。
信用売りに関しても制度信用取引で信用売りを行なった場合の貸株料は年利1.15%に対して一般信用取引で信用売りを行なった場合の貸株料は年利1.50%です。目安として100万円分の株を信用売りで取引して1年間借りた株を返却しないでいると、貸株料はおよそ3,500円一般信用取引のほうが高いです。
大体の証券会社では一般信用取引のほうが金利・貸株料ともに制度信用取引よりも高いですが、 証券会社のサービスによっては一般取引のほうが金利が低いこともあります。
取引の期間が違う
制度信用取引では返済期間が最長でも6ヶ月です。どんなに損失を出したとしても、利益を得ているとしても6ヶ月で返済をしなければなりません。そのため長期的な投資には向いていないも言えます。
一方で一般信用取引では基本的には返済期限がありません。こちらのほうが長期投資向けとも言えますが、金利・貸株料の影響もあるので取引の期間はよく考えてから投資を行うということには注意が必要です。
また証券会社のサービスによっては、
返済期間が短期間でそのときのみ信用売りができる
というようなサービスもあります。これらは特に株主優待を得る上で重要なつなぎ売りという手法で役に立つことでしょう。
逆日歩の可能性
信用売りは証券会社から株を借りて取引を行う投資手法ですが、信用売り注文が殺到して証券会社では株を調達できなくなってしまいます。
証券会社は「証券金融会社」から株を調達しますが、売り注文が殺到すると証券金融会社の持っている株に限界が来てしまいます。
そこで証券金融会社は、株を保有している「機関投資家」から株を調達します。このときにタダで株を調達するのではなく、そこにレンタル料が発生します。この料金を株を借りている投資家に負担してもらう手数料のことを「逆日歩」といいます。
逆日歩は制度信用取引のときのみ発生し、一般信用取引では逆日歩は発生しません。逆日歩の怖いところは株の不足度合いによって金額が変わることです。そのため逆日歩は每日計算され、
またが逆日歩は1日、1株あたりいくらかで決まります。そのため株を多く借りている人や長い期間借りている人は非常に高い逆日歩を支払わなければならないことがあります。
まとめ
この記事では一般信用取引と制度信用取引の違いについて解説しました。表にまとめると次のようになります。
制度信用取引 | 一般信用取引 | |
信用買い | ほとんどの株式が取引可能 | ほとんどの株式が取引可能 |
信用売り | 基準を満たした株のみ | 証券会社によってはできない |
金利・貸株料 | 低い | 高い(証券会社によって例外あり) |
返済期限 | 6ヶ月 | 無制限 |
逆日歩 | ある | ない |
制度信用取引と一般信用取引の違いを知っておけば
返済期限が迫ってしまい大きな損失が出た
ということや
金利を払った結果として、株価は上がったが損失が出た
といった事態を避けることができます。