NT倍率って何?用語と使い方について解説!

株式株価指標

 日経平均株価とTOPIXの両方の情報を利用した株価指標としてNT倍率があります。ニュースで耳にすることはほとんどありませんが、市場の動向を把握できるNT倍率は非常に便利な指標です。

 この記事では株価指標であるNT倍率に関して

  • NT倍率とはなにか
  • NT倍率をどのようにして実際の投資に使うのか

について解説します

NT倍率とは?

NT倍率」とは日経平均株価(N)とTOPIX(T)の倍率を表す株価指標です。NT倍率の算出式は

日経平均株価÷TOPIX

で表されます。一般に時価総額が上がるということは、株価が上がることを意味しています。つまり、日経平均株価が上昇すればTOPIXも上昇し、日経平均株価が下降すればTOPIXも下降するというような関係が見えてくるでしょう。

 ではその2つの比をとったNT倍率は大きく上下することはないように感じられます。それが本当かどうかを2019年の9月から過去5年のNT倍率のチャートを見て確認してみましよう。

 過去5年間のNT倍率を見てみると2018年からNT倍率が急激に上昇していることがわかります。それまではだいたい12倍くらいにあったNT倍率が2019年になると13倍を超えるようになっています。

 つまり「2018年から日経平均株価の上昇率がTOPIXの上昇率を上回っている状況にある」ということがNT倍率のチャートから見て取れるでしょう。

NT倍率の投資への利用方法

 日経平均株価やTOPIXは上昇すれば全体として景気がよく、下降すれば全体として景気が悪いというような判断ができました。ではNT倍率の上昇・下降はいったいどういう意味を示しているのでしょうか?

 NT倍率が上昇するということは「TOPIXよりも日経平均株価のほうが大きく上昇している状況にある」ということです。日経平均株価は株価の高い会社の影響が大きいという特徴があります。

 日経平均株価に寄与度が高い業種としては電気機器や情報通信業などがあり、それらの景気が良いということを表しています。

 逆にNT倍率が下降するときは「日経平均株価よりもTOPIXの方が大きく上昇している」ということを表します。TOPIXは時価総額が高い会社の影響を大きく受けるという特徴があります。

 TOPIXに寄与度が高い会社として特に3大メガバンクと呼ばれる銀行業の影響を大きく受けます。つまりNT倍率が下降するときは銀行業の景気が良いということを表しています。

 もちろんTOPIXや日経平均株価の両方が下降していて、NT倍率が上昇するというような場合もあります。この場合はTOPIXの方が下がり方が大きく、銀行業がより景気が悪くなっているという判断ができます。

まとめ

 この記事では株価指標の1つであるNT倍率に関して

  • NT倍率は日経平均株価とTOPIXの比を取った株価指標である
  • NT倍率のチャートを見ることで「どの業種の景気が良いか」の把握ができる

 ということを解説しました。実際の投資では日経平均株価またはTOPIXとNT倍率を組み合わせて使うと非常に便利な判断基準となりえるでしょう。

Posted by wis